2013/01/21(Mon)
ツイッターにて「 #勝義方便メモ No.7 」開始予定です。

http://togetter.com/li/442609

本考察では、菩提心と空性との関係、空性と慈悲・利他行との関係、勝義諦と世俗諦の二諦などの理解を目的として行う予定です。

これまでの#勝義方便メモアーカイブは下記となります。

1 http://togetter.com/li/200586
2 http://togetter.com/li/219557
3 http://togetter.com/li/266384
4 http://togetter.com/li/320014
5 http://togetter.com/li/365326
6 http://togetter.com/li/375650
往生院だよりNo.78・3月彼岸号より

コラム「追善供養・功徳回向の考え方について・・5」

さて、これまで追善供養・功徳回向の本来的意義に関しまして、拙生なりに述べさせて頂いて参りました。

仏教は、とにかく最終的には実践が何よりも大切なこととなります。追善供養・功徳回向の場合においては、確かなる菩提心と智慧の修習に基づいた善徳の行いが求められるのであります。

では、なぜに善徳行(慈悲・利他行)の実践が必要となるのかについては、これまでも述べさせて頂いて参りましたように、無明(根本的無知。簡単には、真 理を知らない状態。空性・縁起という理法を了解していない状態)・煩悩を対治するだけでは、悟りを得るためにはまだまだ不十分、中途半端な状態であり、真 なる悟りを得るためには、これまでの過去世において積み上げてきてしまっている悪業(悪い行いの集まり)の習気(じっけ)(悪い結果をもたらす潜在力・潜 勢力)をも対治しなければなりません。

無明・煩悩を対治すれば、確かに、注意している中において、これから悪業を積み上げてしまうことはなくなるはずですが、問題はこれまでに積み上げてきて しまっている悪業の習気をもしっかりと取り除かない限りは、過去世の悪業の結果が、今世では一応出なくはなっているとしても、来世、来来世で出てくる可能 性は残されている上に、更には無明・煩悩が再発してしまう可能性さえもあります。このことに関しては、拙論『空と縁起』~勝義菩提心と勝義方便~ (2012.9)〔http://t.co/xXe6DBOf〕の中にて、「癌の再発の喩え」にて述べさせて頂きましたのでご参照頂けましたらと存じます。

そのため、無明・煩悩を智慧により対治すると共に、慈悲・利他という善徳行による善業を積むことによって、悪業の習気をもしっかりと対治していくことが望まれるのであります。

やがて全ての悪業の習気の対治が終わると、いよいよ悟りを開くことができ、一切智者・正覚者・仏陀・如来と言われる存在になることができるのであります。

仏教の目的は、迷い苦しみの輪廻から解脱し、悟りを開いて、一切智者・正覚者・仏陀・如来となることであります。そのためには、真摯に仏法と向き合い、 仏法を学び、修していくことによって、悪業を対治していき、善業の集積に努めて、少しでも仏道を前へと歩めるように調えて参りたいものでございます。 (了)

(副住職・川口英俊合掌)

関連コラム「追善供養・功徳回向の考え方について」 1~4
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52108201.html

最近の仏教思想関係の主な考察についてのまとめ集
http://t.co/RZJudE4f

・・

ダライ・ラマ法王猊下・ティーチング 2006 in 広島 DVD
エピソード4 『すべては縁起し空である』からの一場面。


ようやく三度目を拝聴中。深遠なる空と縁起の理法をお説きになられますダライ・ラマ法王猊下に最敬礼申し上げます。合掌九拝

「ダライ・ラマ法王 Teaching in 広島 2006 公式伝授録」
お求めの方は下記をご参照下さいませ。格安ユーズドもまだあるみたいです。
http://store.kokonor.com/products/detail.php?product_id=4

「偉大なる第十四世(ダライ・ラマ法王猊下)の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://t.co/BKpRZFZ6

・・

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス
http://hasunoha.jp/

最近の拙回答
問い「本気で信じているんですか?」
http://hasunoha.jp/questions/55

・・

【チベット問題】

「自らを灯明と化した菩薩たちの願い」~チベット問題・焼身抗議を考える~
http://t.co/PwVvYWck

※閲覧注意・焼身抗議画像あり <速報>今日、ンガバ州キュンチュ県で新たな焼身 内地100人目! - チベットNOW@ルンタ
http://t.co/E1ukR0VW

チベット族男性が焼身自殺 09年以来、100人目 - MSN産経ニュース
http://t.co/6HLuO9jZ

時事ドットコム:チベット族焼身自殺100人に=中国
http://t.co/6T0jNO05

在米チベット人女性が語る甥の焼身 - チベットNOW@ルンタ
http://t.co/91WejSNr

焼身の情報を国外に伝えたとして8人連行 - チベットNOW@ルンタ
http://t.co/FgNm9YTR

続報:12日焼身・死亡ツェリン・タシ(ツェベ)強制葬儀 - チベットNOW@ルンタ
http://t.co/NpFyJIua

焼身を描き続ける井早智代さんのダラムサラ絵画展 - チベットNOW@ルンタ
http://t.co/5dItlPzX

【チベット問題】(2013.1.14までまとめ)
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52114839.html

【チベット問題】(2012.12.20までまとめ)
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52111965.html

【チベット問題】(2012.11.30までまとめ)
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52109737.html

チベットが直面する問題 (2012年)
http://t.co/lavJOBR9

・・

迷いウサギのきっちょむちゃん遷化のお知らせ
http://oujyouin.com/usagi.htm

・・

「総選挙・大阪13選挙区(東大阪)情勢分析の検証からの今後の課題と展望」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/54aea7a94d0b14ce8127cc69bface65b

「総選挙・大阪13選挙区(東大阪)情勢分析の検証」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/95327041dc8cde7875538e02e222cf01

・・

最近の仏教思想関係の主な考察についてのまとめ集
http://t.co/RZJudE4f

往生院だよりコラム・十三仏シリーズ・アーカイブ前半

http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52108270.html

往生院だよりコラム・十三仏シリーズ・アーカイブ後半

http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52108281.html

コラム「追善供養・功徳回向の考え方について」 1~4
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52108201.html

「#勝義方便メモ No.6」考察継続中
http://togetter.com/li/375650

川口英俊の自動配信・デイリー自動情報収集ネット新聞
http://paper.li/hide1125/1307742529

・・

他、これまでの考察シリーズは下記をご参照下さいませ。
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/51997575.html
2013/01/14(Mon)
「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」

誤字脱字がございましたら誠に申し訳ございません。正確には必ず原文をご参照下さいませ。深遠なる空と縁起の理法をお説きになられますダライ・ラマ法王猊下の御長寿を心から祈念申し上げます。川口英俊九拝

『14人のダライ・ラマ』下(2006年)グレン・H.ムリン氏(原著),田崎國彦氏(翻訳),クンチョック・シタル師(翻訳),渡邉郁子氏(翻訳) 春秋社・p379-394参照

ダライ・ラマ14世法王猊下・初代摂政ラデン・トゥルク師〔ダライ・ラマ14世法王猊下(当時四歳)即位式に際しての詩句〕

「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」

オーム・スヴァスティ・シッダム〔成就者に、吉祥(幸い)あれ」の意で、オームは祈祷文などの最初の言葉〕。

(あなたの)不変の御身体は、すばらしい相好〔三十二相と八十種好という仏のもつ大小のすぐれた身体的特徴〕を完備されている。(あなたの)御言葉は、正 しい真実の教え〔正法、妙法〕という特別な飲み物〔甘露水・・甘露は教えの喩え〕として、一切の命あるものを満たされた。(あなたの)大いなる安楽〔大 楽〕の御心は、深遠ながらも明解にして揺れ動くことを離れておられる。生命のターラ菩薩(如意輪)が、吉祥なるもの〔善なるもの、幸福、言葉〕をお与えに なりますように。

汚れなく清んだ憐れみ〔悲〕の大空に、智慧と慈しみ〔哀愍〕の大雲が顕現して、消え失せることはない。この大雲は、生命の成就〔悉地・・密教行者により達 成される妙果〕という雨を降らせる。(生命の)尊格たちが(現れて、)不死なる金剛の命という一本の柱を立てるのである。

(聖なる御方よ、あなたは、)多くのとてつもない長い時間〔劫〕にわたって二つの蓄積されたもの〔二資糧・・福徳の集まりと智慧の集まり〕をよく作られ、 これらの輝きの力によって、二つの障害〔煩悩障と所知障〕と、潜在力〔習気・・行為が心に植え付ける潜在力〕という暗黒の闇を追い払われた。そして、二つ の利益〔自利と利他の二利・・わたしの利益とみんなの利益〕の事業を世間の人々にお示しになったのである。(聖なる御方よ、このようにして、あなたは、遠 い昔の生涯において、)善逝者クンパクとして〔善逝は仏陀の呼称の一つ・・クンパク〕完全な覚りを達成されたのである。

(あなたは、最高の涅槃界に住しておられる)けれども、(命あるものを救済せんとする憐れみの心〔悲〕に動かされて、)十方の広大無辺なる宇宙をつくる原 子の数と同じくらいの、不思議な御身体と御言葉と御心の秘密たち、(すなわち諸化身を化現した。)究極の智慧が御覧になった対象の中でも、限りない数の勇 敢な者(菩薩)たちさえも、(そのすばらしい様々な御姿を)理解するのは難しい。

あなたは、奥深くかつ広大な仏法のあり方を明らかにするために、聖者の国〔インド〕において、バラモンの童子ナンワをはじめとする、智慧の眼をもつ数多く の学僧や聖者、世界の指導者〔転輪聖王〕という前身者たち〔前世者・・三十五の化身の連なり〕から成る真珠のネックレス〔瓔珞、一連の宝珠〕として現れ た。

あなたは、一切の命あるものに対する慈愛に動かされて、〔彼・彼女らを救済するという、人間に、チベット人に受け継がれる遺産となる〕誓いを結ばれた。

このために、あなたは、優れた特別な決意あるいは心構え〔増上意業・・菩薩の利他の心、命あるものに対する普遍的な責任〕の種を蒔いてこられたのであっ て、この上ない最高の幸福〔覚りの道〕の善き客人として〔無数の命あるものを〕迎え入れては、迅速な方法で彼・彼女らを饒益〔利益し救済すること〕してお られる。

(次に、)特別なことに、命あるものの願いを意のままに叶える能力をもつ御方は、真っ白な雪で蔽われた山々に囲まれた、このチベットの地をお手に取られて 〔=十人の仏教王(法王)として化現されて、〕チベットの政治と宗教を素晴らしく輝かしいものに為さったのである。(この諸王とは、)ニャーティ・ツェン ポ、ラトトリ・ニェンツェン、祖孫三法王などの、化身王の連なりである。

(次に、あなたは、)優婆塞〔仏教の在家信者であったラマ・ドムトゥンパ〕、ニャン・レル〔ニャンニマ・ウーセル〕、チューワンなどの学僧や成就者や埋蔵経発掘者である、数多く〔十五人の化身の連なり〕の(チベット人)の師として化現された。

(次に、最初の四人のダライ・ラマとして化現された。)サン・ギェルワ〔ゲルク派宗祖ツォンカパのこと・・ギェルワは勝者の意〕の学風という(甘露の)雨 水を有縁の土地〔チベット〕に降り注ぐのに巧みであったゲンドゥン・トゥプパ〔一世〕から、威神力のあるユンテン・ギャムツォ〔四世〕までである。

(次に、偉大なる五世として化現された。彼は、智慧の菩薩である)文殊師利の教えの精髄を豊かに成熟させたもの〔ツォンカパの教え〕が語の自在なる者〔ダ ライ・ラマ〕の喉に入ったことによって、すばらしい智慧を有する大海の如き仏たちの慈悲心を一つにまとめた〔ガワン・ロサン・ギャムツォは五世の名前であ る〕、三界の命あるものの保護者となり、須弥山のように、学僧・成就者の住む四洲〔須弥山の四方の海にある四大洲(四大陸)・・私たち人間の住むのは南瞻 部洲(閻浮提)〕の中心で輝いている。

(次に、ダライ・ラマ六世ツァンヤン・ギャムツォ、すなわち)教化すべき者に応じて美しい梵天の調べ〔梵音声・・三十二相の一つ〕で大海の如き仏法の集ま り〔法蘊・・釈尊が対治すべき八万四千の煩悩に応じて説いた教え=法門の集成〕を教えるのに巧みな能力を持つ者より、(ダライ・ラマ十三世トゥプテン・ ギャムツォ、すなわち)牟尼の教え〔仏教のこと〕を保持する点で大海の如き比類なき者まで、あなたは、仏子〔菩薩のこと〕としての化身の舞台を繰り返し上 演された。

(あなたは、さらには今でも、)この国が陥った暗黒の闇を排除しようと(尽力されている)。昇る朝日の如き化身(、すなわちダライ・ラマ十四世法王)が再 び出現されたこと、これは、すばらしいことである。彼は、仏の教えという蓮華の十方の花びらを同時に開かせており、また大悲の光を放って輝いている、

文殊師利の勇気がある言葉において自在になり、智者にして、智慧と仏の教えを保持することにおいて大海のように奥深い、三界の統治者となった保護者にし て、比類なき方(十四世の名前は、ジェツン・ジャムペル・ガワン・ロサン・イェシェー・テンズィン・ギャムツォ・ツンパメーデ)に祈願する。

青年の文殊師利が御心に入ったことによって、語自在にして、顕教と密教という大河のすべての流れが集まった智者であり、智慧と仏の教えを保持するのに巧みな大海の如き保護者として永久に(私たちと共に)居続けてください。

三界という〔衆生〕世界全体の〔頭頂にある〕最高の宝冠よ。両種制度〔ダライ・ラマは聖俗両面の最高指導者であるという制度〕という日輪と月輪を明らかに することによって、仏の教えをもって四洲世界の統治者となって、利益と幸福の明りの現れを広げるために、永久に(私たちと共に)居続けてください。

守護者なき、この雪の国チベットの地に住む命あるものたちを、(守護者として)輪廻の終わりが来るときまで、比べるもののない、身体と言葉と心の不思議な 働き〔三密〕によってすばらしい四種の円満〔四分円満・・世間と出世間のすべてを円満にする四条件の実現で、仏法の盛行、資財の具備、五妙欲(色・声・ 香・味・触という五種の欲望の対象)の充足、解脱や涅槃という修行結果の獲得〕に結び付けながら、永久に(私たちと共に)いらっしゃってください。(すべ ての命あるものが完全な覚りを獲るまで、化身し続けてください。)

「輪廻と涅槃〔世間と出世間〕は平等である」という三解脱の領域〔三解脱門・・菩薩が解脱に入る門戸・方法である三つの三昧(深い精神集中の状態)で、空 解脱門と無相解脱門と願解脱門〕から(あなたの)大楽という太陽と月の十方の光を放つことによって、心に顕現したことを支配するようになり、仏法の修行法 〔五道・十地など〕によって一切衆生を解放し、疲れ倦きることなく、永久に(私たちと共に)居続けてください。

すべての仏の発心〔発菩提心〕を一つにまとめたところから、希有なる比類なき金剛の仏身は(、顕現する)。「すばらしい四種の円満」の中心に美しいままにいながら、身体と言葉と心という三つの不思議な働き〔三密〕という飾りの輪が常に永遠でありますように。

(あなたは、)多様な戯論を離れた勝義〔空性〕に関するすべての勝者〔仏の別称〕の智慧の集まりの中に(住して)おられるけれども、同時に、(あなた は、)幸運な者たちの目に見えるように、この身体に化現されています。尊いラマよ、私はあなたにお願い致します。私たちと共に永く留まって、道を示してく ださい。

智慧と慈悲と力の枝葉があまねく広がっており、結果である三つの仏陀の身体〔三身〕という重責を担っていることによって、大海の如き衆生の願望を完全に満足させる、善友〔善知識〕をすべて集められる力を持つ方が常に永遠でありますように。

(あなたの)美しい御身体〔相好・・三十二相と八十種好〕は、大小の特徴を具えており、(人は、)「見るだけで解脱できる」〔現見解脱〕。(あなたの)美 妙な御言葉は、六十の特性〔六十種声〕を有しており、(人は、)「聞くだけで解脱できる」〔聞法解脱〕。(あなたの)奥深く明晰な御心は、不二〔存在と非 存在の二元論を離れた〕の智慧を備えており、(人は、)「思うだけで解脱できる」。(師よ、)不壊なる永遠の領域〔法身の世界〕にあって、わたしたちと共 に永く居続けてください。

十方の典籍の聴聞というしっかりとした根っこと、それの意味に関する正しい思考〔如理作意〕というサラサラと揺れる枝葉と、粗細の二次第〔無上ヨーガ・タ ントラの生起次第と究竟次第〕の修習というたわわに付いた果実によって限りない衆生の願望を満足させることが、常に永遠でありますように。

講説することによって、仏の御本意を明らかになさり、問答することによって、間違って語ったことを残りなく一掃して、書いたテキストの言葉の使い方が幸運 な者を喜ばせる。このようにして、保護者にして衆生の眼〔世間眼・・仏菩薩の尊称の一つで、世人の眼となって道を指し示すこと〕であるあなたが、永く私た ちと共に居てくださいますように〔=長命でありますように〕。

三つの規律〔三律儀・・別解脱戒、菩薩戒、密乗戒〕という戒律による清浄な風を伴って、顕教と密教の理論に精通した賢者の船を走らせ、衆生は、二利〔自利と利他〕にわたるすばらしい活動のもたらす財富を受け取る。彼らの偉大なる領導者が、常に永遠でありますように。

(空性の)智慧そのものを語る者である「言葉の神」〔文殊師利の別称〕、大悲者、慈心を本質とする「目を閉じざる者」〔観音の別称〕、力によって悪魔の軍 隊を打ち砕く「秘密主」〔金剛手の別称〕、これらの密教の三位〔仏部の文殊、金剛部の金剛手、蓮華部の観音〕を一体にした姿として、(あなたが)長命であ りますように。

あなたの御身体は、白い蓮華のように、非常に清らかであり、あなたの御言葉は、ガンダルヴァ〔香りを食べる音楽神〕の奏でる美しい音のように、とても麗し く あなたの御心は、一切の知るべき対象〔所知〕(の真相)を極めて明晰に御覧になる。命を与える者〔無量寿仏=阿弥陀仏〕そのものとして、はっきりと揺 るぎなく、(あなたが)長命でありますように。

戒律〔戒〕という行動を戒める技能が完備した仏の教えという雪の山において、遊戯自在なる深い精神的な安定〔定(三昧)〕という緑なすたてがみを見せると き、智慧〔慧(般若)〕というライオンは、愚痴〔無明〕の脳みそを噛みつぶす。至高の仏にして自在者であるライオンが、永く私たちと共に居てくださいます ように。

雪の国チベットの保護者よ。この国は、苦境という桎梏の闇に覆われている。慈悲の灯火を燃え上がらせてください。慈悲の光りによって、利益と幸福の現れが広まるように、輪廻が終わりを迎えるまで、揺らぐことなく、常に永遠でありますように。

不壊の法輪〔仏教の象徴〕の絵が刻まれ装飾された、(また、八頭の)恐れを知らない獅子(という覚り)によって支えられている。黄金の玉座に、不変の七つ の宗教的・精神的な徳性〔七法・・七政宝、転輪王の七宝(転輪聖王の功徳より生じた、輪宝・宝珠などの七つの宝)のこと〕そのものとして、永久にいらっ しゃって、勝者の教え(、すなわち覚りの伝統)を衰えさせないでください。その安寧のために尽くしてください。

(あなたは、)帝釈天の方角〔帝釈方・・インドラ神のいる方角〕である
東方(のアムド)の山間より、(太陽のように私たちのところに)戻られた。八つの卓越した徳性〔八自在〕の所有者よ、至尊の化身よ、蓮華の親族よ、インドラ神やヴィシュヌ神をはじめとする傲慢を持つ者すべてを支配する(覚った者の)事業という百の光を放ってください。

いかなる時も衰退することのない、(あなたの)憐れみ〔悲〕の根がしっかりとし、十善戒〔不殺生から不邪見までの十善あるいは十善業道をいう〕という千の枝葉が広げ伸ばされ、円満な幸福である財産という涼しい木陰によってすべての命あるものに休息を与えてください。

四つの調伏という大神変〔邪魔や外道を降伏するために様々な姿や形に変じて示現することを神変という〕の十化身によって、仏教〔内道〕と仏教外〔外道〕の 教化し難い、傲慢なるすべてのものを教化して、類いまれな福徳の集まりと仏法への精通という諸効果がますます増大した祝賀の宴を広めてください、

そうした不思議な力〔威神力〕である(あなたの)金剛杵を高く掲げてください。こうすることによって、両種制度という三世にわたる繁栄に反対する凶悪な力をもつ敵の軍隊をすべて、粉々に打ち砕いたという名声が高まりますように。

円満なる多くの喜びという富によって満たされるすばらしい四種の円満〔四分円満〕という富をもつ大宮殿(ガンデン・ポタン)の円満なる政治が、〔水量が増す〕夏の湖に従って豊かになり、円満なる方角より諸方に広がりますように。

この語る人の命の柱も、不滅の金剛の世界において常に堅固でありますように〔金剛は究極的な真理の意で、覚りの法身世界に永遠に住されますように〕。何ら かの勝利の手段である事業の大きな勝利の旗印〔勝幡〕と福徳の力によって、輪廻界の頂点において(指導者として)立ち上がってください。

(あなたのもとで修行する者たちが、)三門〔原著は聞思修=学習と思考と瞑想による習得と解す〕が妨害要因という災いと接触しないで、学んだ事柄の意味を 一点に集めて体得しようとする努力の力によって、速やかでかつ至福のある「生起と究竟の二次第」の道を通して、共通の成就と共通ではない最高の成就〔共不 共悉地・・共は八悉地(空を飛ぶ・透視するなどの八種の超能力)、不共は仏位で、密教修行が成就する境地や境地で得られる超能力をいう〕を、苦労せずに容 易に獲得できますように。

大地を所有する王の手段である諸事業が、善悪を区別する知性によって堕落なき満月のような、仏法に則った御言葉の内・外・秘密の集まりの中に導いてくださいますように。

一般には宗派を問わない「仏の教え」の海が、特殊には「第二の勝者〔釈尊〕であるツォンカパの宗風」の海が、(あなたの絶えず分け隔てなく降らす)学問と実践〔講経と修道〕の雨によって、日毎にあまねく発展し、いつまでも堕落せず、衰退しませんように。

こうした仏教の様々な系統を保持する聖者である竜王たちが、三つの方法(あるいは道)〔声聞乗・縁覚乗・菩薩乗の三乗〕を通して極めた学問という冠〔肉 瘤〕によって頭頂を美しく飾り、(しかも、修行者たちの心の連続体を成熟させる)四摂事〔布施・愛語・利行・同事〕という宝石を持つことによって、仏の教 えという河を盛んにする力を所有できますように。

聖者たちの七つの財宝〔七聖財・・仏道修行の達成に必要な信仰・戒律・教えの聴聞などを財物に喩えた教説〕によって豊かになった「僧侶たちの共同体」〔僧 伽〕が、心を一つにし〔=和合し〕、戒律を清らかに保ち、学習と思考と瞑想の三つ〔聞思修〕(の道に従い)、講説と問答と著述の三つ〔説論著という智者三 事〕など(に従事して)仏法(の全遺産)を履行することによって、勝者の教え(=覚りの伝統)を保持し、滅びさせませんように。

一般には世界全体、特別にはチベット、中国、モンゴリアの各地において、悪しき(暴力的なやり方のはびこる)寒い冬の季節が終わり、安楽にして善なる春の女王の季節が到来し、(やがては)人々が円満した〔=円満時のあるいは覚りという〕夏の顔を見せますように。

長きに渡って仏の教えを誤って憎み嫌ってきた、残虐で非人間的な者たちや野蛮な者たちなどの、破壊的な思いと行為〔原著は今日の宗教的な自由に対する破壊的攻撃と解す〕が自然に鎮まって、(その傷つけようとする)力が消え去りますように。

(おお、偉大なる師よ。)御手に白い蓮華を持つ方〔観音菩薩〕よ。〔憐れみの心をもって〕歓待された一切の命あるものたちが覚りへの道程と階梯〔五道と十 地〕を渡り終えて、自利と利他という二つの目的が自然に実現するまで、(あなたが、転生する)すべての世代において、最上の乗物〔大乗〕のすぐれた教師 〔善知識、善友〕として化現され続けますように。

(あなたに)影のように永くつき従ってきた力強き守護神たちよ。マクソル・ギェル〔ペンデン・ラモ〕、ペクツェ・チャムデル、ギェルチェン・クガ、特に命令を守ると誓ったドルジェ・タクデン〔ネーチュン〕よ。四つの事業〔四種法〕を放棄せずに達成してください。

裏切ることのない帰依の対象〔帰依処・・三宝〕がもつ祝福の威力〔加持力〕と、法性〔勝義諦、空性〕という究極的な次元の真理の力と、清浄な願い(あるい は決意)〔原著は普遍的な愛の力強い流れと解す〕の力によって、この祈願文の目的が、自然に、しかもわずかの妨げるものもなく成就しますように。吉祥な れ。

・・以上ここまで。

川口英俊 合掌九拝